塾長ブログ

2025/07/30
自由研究アイデア,理科・物理の話,エネルギーのしくみ,環境・サステナブル,未来の科学技術

核融合エネルギーと原子力エネルギーの違いってなに? ~これからのエネルギーを考えるヒント~

◆「どっちも“原子の力”だけど…ちがいってなに?」


ニュースなどでよく聞くようになった言葉「核融合エネルギー」。
でも、すでに使われている「原子力エネルギー(=核分裂)」と、いったい何がちがうのでしょう?


今日は、そんな似ているけどちがう「原子の力」について、わかりやすく説明します!



◆ 原子の力でエネルギーを出す2つの方法


◆ 核分裂(かくぶんれつ)=今の原子力発電

  • ・大きな原子をこわすことでエネルギーを出す

  • ・ウランなどの重い原子核をバラバラに割る

  • ・日本の原子力発電所で使われているのはこれ


◆ 核融合(かくゆうごう)=未来のエネルギー

  • ・小さな原子をくっつけてエネルギーを出す

  • ・太陽が輝いているのもこの原理

  • ・実用化はまだこれから



◆ イメージでくらべてみよう!


核分裂(原子力) 核融合(未来のエネルギー)
何をする? 原子を割る(こわす) 原子をくっつける
どんな原子? ウランなど重い原子 水素など軽い原子
出るエネルギー とても大きい さらに大きい可能性あり
安全性 放射性ごみが出る、事故の心配 安全性が高く、放射性ごみも少ない
現在の状況 実用化されている 実験中・開発中(将来に期待)


◆ なぜ「核融合」が注目されているの?


太陽のしくみと同じ!


→ 太陽は、毎秒何億トンもの水素を融合して輝いています。
→ 人類が同じしくみを手に入れれば、未来の安定したエネルギー源になるかも!


★地球にやさしい

→ 核融合では二酸化炭素を出さない
→ 放射性廃棄物(ほうしゃせいはいきぶつ)も、核分裂にくらべてとても少ない


●事故が起きても暴走しにくい

→ 条件がそろわないとすぐ止まってしまうので、安全性が高いとされています。



◆ 実用化はまだこれから


ただし、核融合にはまだ課題もあります。

  • ・とても高い温度(1億度以上!)が必要

  • ・エネルギーを“閉じこめておく”のが難しい

  • ・大きな装置やたくさんの資金が必要


でも、世界中の研究者たちが協力して、
フランスでは国際核融合実験炉「ITER(イーター)」の建設が進んでいます。
未来のエネルギーとして、大きな期待がかかっているんです。



◆ まとめ|未来のエネルギーを考える力を育てよう


核分裂も核融合も、「原子の力」を使ってエネルギーを作る技術です。
でも、安全性や地球への影響、ゴミの量などには大きなちがいがあります。


いまの技術でできること

これからの技術でめざすこと


これを知ることで、私たちがどう生きていくか、どうエネルギーとつきあっていくかを考えるヒントになりますね。

一覧に戻る