核融合エネルギーと原子力エネルギーの違いってなに? ~これからのエネルギーを考えるヒント~
◆「どっちも“原子の力”だけど…ちがいってなに?」
ニュースなどでよく聞くようになった言葉「核融合エネルギー」。
でも、すでに使われている「原子力エネルギー(=核分裂)」と、いったい何がちがうのでしょう?
今日は、そんな似ているけどちがう「原子の力」について、わかりやすく説明します!
◆ 原子の力でエネルギーを出す2つの方法
◆ 核分裂(かくぶんれつ)=今の原子力発電
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・大きな原子をこわすことでエネルギーを出す
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・ウランなどの重い原子核をバラバラに割る
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・日本の原子力発電所で使われているのはこれ
◆ 核融合(かくゆうごう)=未来のエネルギー
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・小さな原子をくっつけてエネルギーを出す
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・太陽が輝いているのもこの原理
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・実用化はまだこれから
◆ イメージでくらべてみよう!
核分裂(原子力) | 核融合(未来のエネルギー) | |
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何をする? | 原子を割る(こわす) | 原子をくっつける |
どんな原子? | ウランなど重い原子 | 水素など軽い原子 |
出るエネルギー | とても大きい | さらに大きい可能性あり |
安全性 | 放射性ごみが出る、事故の心配 | 安全性が高く、放射性ごみも少ない |
現在の状況 | 実用化されている | 実験中・開発中(将来に期待) |
◆ なぜ「核融合」が注目されているの?
☀ 太陽のしくみと同じ!
→ 太陽は、毎秒何億トンもの水素を融合して輝いています。
→ 人類が同じしくみを手に入れれば、未来の安定したエネルギー源になるかも!
★地球にやさしい
→ 核融合では二酸化炭素を出さない。
→ 放射性廃棄物(ほうしゃせいはいきぶつ)も、核分裂にくらべてとても少ない。
●事故が起きても暴走しにくい
→ 条件がそろわないとすぐ止まってしまうので、安全性が高いとされています。
◆ 実用化はまだこれから
ただし、核融合にはまだ課題もあります。
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・とても高い温度(1億度以上!)が必要
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・エネルギーを“閉じこめておく”のが難しい
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・大きな装置やたくさんの資金が必要
でも、世界中の研究者たちが協力して、
フランスでは国際核融合実験炉「ITER(イーター)」の建設が進んでいます。
未来のエネルギーとして、大きな期待がかかっているんです。
◆ まとめ|未来のエネルギーを考える力を育てよう
核分裂も核融合も、「原子の力」を使ってエネルギーを作る技術です。
でも、安全性や地球への影響、ゴミの量などには大きなちがいがあります。
いまの技術でできること
これからの技術でめざすこと
これを知ることで、私たちがどう生きていくか、どうエネルギーとつきあっていくかを考えるヒントになりますね。