超新星爆発のあとに生まれるのは何? ブラックホールか中性子星かを決める条件とは
夜空に輝く星たち。
その中には、いつか寿命を迎えて“大爆発”=超新星爆発を起こすものがあります。
この壮大な天体ショーのあとに残るのが、中性子星やブラックホールです。
でもここで生まれる疑問。
「中性子星になるの?ブラックホールになるの?」
「その違いってどうやって決まるの?」
今回は、この宇宙の“分かれ道”の秘密を、わかりやすく解説します!
★ まずはおさらい!超新星爆発とは?
星はその一生の中で、最終的にエネルギーを使い果たします。
とくに太陽より8倍以上大きな星は、寿命を迎えると大爆発(超新星爆発)を起こします。
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・外側のガスがドカーン!と吹き飛ぶ
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・内側の“芯”の部分だけが残る
この“残った部分”がどうなるかによって、中性子星か、ブラックホールかが決まるのです。
★ 中性子星かブラックホールかを決める“カギ”とは?
◇ 決め手はたったひとつ──「芯(しん)の重さ」
爆発後に残った“芯(恒星の中心核)”の重さ(質量)が、ある基準をこえるかどうかが最大のポイントです。
● 残った芯が軽め(1.4〜2.5太陽質量)
→ 中性子星になります!
重力でグググッとつぶれていきますが、中性子同士の反発力でつぶれきらずにストップ。
こうして、スプーン1杯で10億トンという超高密度な“中性子星”が誕生します。
● 残った芯が重すぎる(約3太陽質量以上)
→ ブラックホールになります!
中性子の反発力すら打ち負かす重力によって、完全につぶれ切って“時空の穴”=ブラックホールに。
もはや光すら脱出できません。
■ まとめるとこんな感じ!
爆発後に残る“芯”の質量 | なるもの | 特徴 |
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~1.4倍(太陽の質量)以下 | 白色矮星(小型の星の場合) | 比較的軽く、安定した星の残骸 |
約1.4〜2.5倍 | 中性子星 | 超高密度・観測可能・回転していることも |
約3倍以上 | ブラックホール | 光も抜け出せない“重力のかたまり” |
※実際の境界線にはまだ不確定な部分もあり、現在も研究が進められています。
◎ なぜ「神のみぞ知る」と言われることがあるの?
実は、「超新星爆発のあとに何ができるか」はまだ完全には解明されていません。
理由は次のとおり:
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・爆発のしかた(対称か非対称か)によって残る芯の重さが変わる
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・星がまわりのガスをどれくらい持っていたかで結果が変わる
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・星の“まわりの環境”が大きく影響する場合もある
つまり、重さ以外にも複雑な条件がからんでいて、計算だけでは読みきれないのです。
だからこそ、宇宙研究者たちがこの“星の最後の運命”を今も解き明かし続けています。
★ 宇宙の進化と私たち
面白いのは、こうした星の終わりが、新しい星や惑星、そして私たちの体をつくる材料になっているということ。
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・中性子星どうしがぶつかって金やプラチナができる
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・超新星爆発で炭素や酸素が宇宙にまかれる
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・それがやがて地球になり、生命になった
つまり、あなたの体も、遠い昔にどこかの星が爆発してできたものかもしれないのです。
★ まとめ|星の“最期”は重さで決まる。でもまだ謎も多い!
✅ 超新星爆発のあとに残る“芯の重さ”が運命のカギ
✅ 軽ければ中性子星、重ければブラックホールに
✅ ただし現実はもっと複雑。だからこそ研究が進められている!
中性子星もブラックホールも、星の“死”から生まれる宇宙の神秘的な存在。
そしてその分かれ道には、重さという物理のルールと、まだ解明されていない宇宙のふしぎがつまっています。