風って何が当たってきてるの? ~目に見えない“空気の粒”の正体~
「風が当たる」ってどういうこと?
外に出ると、「風が気持ちいい~」とか「風が強いなあ」って感じることがありますよね。
でも、ちょっと不思議に思いませんか?
そもそも“風”って何が当たってきてるの?
見えないけれど、たしかに“ぶつかって”きてる感覚。
実はこれ、空気をつくっている「原子」や「分子」たちが私たちに当たってきているからなんです!
空気は「何もないもの」じゃない!
空気って、透明だし、つかめないし、
「なにもない空間」みたいに思ってしまいがちですよね。
でも実は、空気の中には…
-
・酸素(O₂)
-
・二酸化炭素(CO₂)
-
・窒素(N₂)
-
・水蒸気(H₂O)
などなど、小さな小さな粒(=分子)がギュウギュウにつまっているんです。
それらの粒は、1秒間に数百メートルの速さでビュンビュン動いているんですよ!
風は「空気の粒が押し寄せてくること」
風が吹いているときって、
小さな粒が一方向にたくさん押し寄せてくる
という状態になっています。
たとえば、野球のボール1個が当たるのではなく、米粒くらいのものが1億個ぐらい一気に飛んできて当たるようなイメージです。
もちろん1つ1つはすごく軽くて小さいので、見えないし痛くもないですが、それだけ大量の粒がぶつかってくることで「風」として感じているんです。
なぜ風が「冷たく」感じるの?
たとえば、汗をかいたあとに風が当たると「ひんやり」しますよね。
これも、空気の粒がたくさんぶつかって、体の熱をうばっていくから。
実際には、空気の分子が汗の水分を気体に変えるときに、熱を持っていくんです。
(これを「気化熱(きかねつ)」といいます)
風=空気の粒、ということがわかると、こういう現象もスッキリ理解できるようになりますね。
空気の粒は、どれくらい小さい?
想像しやすいように、少しだけ例を出してみます。
-
・1㎝の中に、水の分子は約1000億個入っている
-
・空気1Lの中には、およそ25000000000000000000000(2.5×10²⁵)個の分子がある
…もはや想像がつきませんが、とにかくものすごい数の小さな粒が、いつも私たちの体にぶつかってきているということです。
おわりに|風の正体は、目に見えない“つぶつぶシャワー”だった!
風はただの「すーっ」という感覚ではありません。
その正体は、目に見えない空気のつぶ(原子・分子)が、すごい速さでぶつかってくるシャワーなんです。
ふだん何気なく感じている風が、科学の世界ではとってもダイナミックな現象だとわかると、なんだか楽しくなってきませんか?
次に風が吹いたときは、
「おぉ、今めっちゃ空気の粒がぶつかってきてる!」って、ちょっとだけ思い出してみてくださいね。