知ってますか? 八百万(やおよろず)の神さまって何?〜日本人の“見えないもの”へのやさしさ〜 (シリーズ第2回:日本のこころ ― 神道ってなんだろう?)
● 「八百万の神」って、本当にそんなにいるの?
神社やお祭りで「八百万の神さま(やおよろずのかみさま)」という言葉を耳にしたことはありますか?
「八百万」と書いて“やおよろず”と読みます。
これは数字の「800万」という意味ではなく――
「数えきれないほどたくさん」ということなんです。
つまり神道では、
山にも、川にも、風にも、木にも、
そして人の心の中にも、神さまがいると考えるのです。
◆ 神道の考え方:「すべてのものに神がやどる」
神道では、「神さま=特別な存在」ではありません。
たとえば――
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・大きな山には“山の神”
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・田んぼには“稲の神”
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・家の中には“火の神(かまどの神)”
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・海には“海の神”
といったように、自然そのものを神として敬う文化があるのです。
これは、「自然は生きている」「人は自然に生かされている」という
日本人の感謝の気持ちのあらわれです。
■ “見えないもの”を大切にする心
神道がすばらしいのは、
“目に見えないものにも心を向ける”やさしさにあります。
たとえば――
・「ごちそうさま」と言って食べ物に感謝する
・「ありがとう」と言って人の思いやりに感謝する
・「いただきます」と命に感謝して食べる
どれも神道の精神とつながっています。
日本人が昔から自然や命を大切にしてきたのは、
「見えないけれど確かにあるもの」を感じる心を持っていたからなんですね。
◆ “八百万の神”は争わない神さま
世界には一人の神さまを信じる宗教も多いですが、
神道では「神さまは一人じゃなくてもいい」と考えます。
太陽の神さまも、海の神さまも、雷の神さまも、みんな仲間。
違いを認め合って共に生きる――これが日本の神々の考え方です。
だからこそ日本人は、
他の宗教や文化にもやさしく、
お正月には神社へ行き、お盆にはお寺に行くというように、
“調和”を大切にする生き方を続けてきたのです。
● いのちあるもの、すべてがつながっている
神道の「八百万の神」は、
「この世界のすべてはつながっている」という考えを教えてくれます。
風が吹き、木が揺れ、鳥が鳴く。
それを感じるとき、私たちは自然とひとつになっているのです。
そう思うと、日常の中の“あたりまえ”が少し特別に見えてきませんか?
★ 子どもたちへのメッセージ
「八百万の神さま」とは、たくさんの神がいるというよりも、
どんなものにも、誰の中にも“神さまの心”があるということ。
だからこそ、
ものを大切にし、人を思いやり、自然を守ることが、
神さまを大事にすることにつながります。
みんなも、「ありがとう」をたくさん言える人になってください。
それが“神さまに愛される心”なんですよ!
●まとめ
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・「八百万の神」とは「すべてのものに神が宿る」という考え
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・神道は“見えないもの”を大切にする文化
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・日本の神さまは争わず、調和を重んじる
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・感謝とやさしさこそ、日本人の心の原点

